フアイアはYAPのダウンレギュレーションを介してオキサリプラチンの化学療法感受性を増強する
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フアイアはYAPのダウンレギュレーションを介してオキサリプラチンの化学療法感受性を増強する
論文情報
発行年: 2018年
掲載ジャーナル: Journal of Cancer
DOI: 10.7150/jca.25909
試験対象(疾患): 肝細胞癌
試験対象動物: 該当なし(ヒト肝細胞癌細胞株を使用)
概要
本研究は、肝細胞癌(HCC)におけるオキサリプラチン(Oxa)の化学療法感受性に対するフアイア(Huaier)の効果を検討しました。OxaがHCC細胞株でCyr61とYAPの発現を増加させる一方、フアイアはYAPの発現を抑制し、細胞アポトーシス(細胞死)を促進しました。さらに、フアイアとOxaの併用により、YAP発現が抑制され、抗癌効果が増強されました。
要約
①問題提起
オキサリプラチン(Oxa)の治療効果を妨げる薬剤抵抗性の克服が必要。
②必要性
化学療法抵抗性はHCC治療の成功率を低下させ、患者の予後を悪化させる。
③方法
ヒトHCC細胞株を用いて、フアイアとOxaの併用効果を細胞増殖やアポトーシスで評価。
④結論
フアイアはYAPの発現を抑制し、Oxaの抗癌効果を増強することが確認された。
⑤便益
フアイアの併用はHCC治療の効果を向上させる新たな戦略となる可能性がある。
解説
肝細胞癌(HCC)は、世界中で高い死亡率を示す深刻な肝臓のがんです。治療にはオキサリプラチン(Oxa)が使用されますが、治療効果が限定されていることが課題です。本研究では、伝統的な薬用キノコであるフアイア(Huaier)がOxaの効果を高めるかを調べました。実験では、OxaがHCC細胞でYAPというタンパク質の発現を増加させ、これが薬剤抵抗性に関与していることが分かりました。一方、フアイアはYAPの発現を抑制し、Oxaによるアポトーシス(細胞死)を促進することが確認されました。フアイアとOxaの併用は、単独治療よりも強力な抗腫瘍効果を示し、薬剤抵抗性を克服する新たな治療戦略となる可能性が示唆されました。この成果は、HCC患者の治療成績を改善し、生存率向上に貢献する可能性があります。
関連する試験画像
Figure 1
Figure 2
Figure 3
Figure 4
参照論文リンク
PubMed(要約)
Europe PMC(要約)
Journal of Cancer(全文・無料)
PubMedCentral(全文・無料)
(こちらはOpen Accessのため、元文献が上記リンクより閲覧可能です)
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。