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フアイア概説

 フアイアの中国語の読み(ピンイン)はHuaierです。フアイアは槐(えんじゅ)の老木に生えるキノコです。

 フアイアは中国の古書にも登場する生薬です。東晋時代(317年〜420年)の「肘後備急方」に記載が見られ、明代の李時珍が書いた「本草綱目」にも登場します。そしてしばらく姿を消しました。そのフアイアが1980年代に上海癌病院(現復旦大学附属腫瘍病院)に入院していた原発性肝臓癌の患者を完治させました。この西洋医の目線からすると奇蹟のようなことに着目し、中国政府は、産官学の連携にて新薬を開発しました。そして1992年に進行性肝癌の治療薬として承認されました。槐の老木にしか寄生しないキノコであるフアイアは、稀少にて大量消費にはまったく向きません。そこでこの菌糸体を増殖させ、培養して、エキス化したものが現代のフアイアです。よって現代のフアイアはすべての製造工程が工場で完結しますので永続的に生産が可能で、製品の均質性が担保され、効果と安全性が保証されています。

肘後備急方
肘後備急方

 槐の老木に寄生する昔ながらの天然キノコと、今日臨床で使用されているフアイアを敢えて区別したいので、フアイアとここでは称します。

 フアイアの抗がん効果は、約1000例の肝臓癌を対象にした臨床試験で確認され、一流英文誌 GUT に2018年11月に掲載されました。そして、現在、乳癌、肺癌、大腸癌など、いつくもの臨床研究が進んでいます。副作用は大量投与時の下痢です。その他の有害事象は吐き気と嘔吐が少数例で報告されています。フアイアもタンパク成分を含有しているのでアレルギー反応が起きそうですが、現在まで重篤なアレルギー反応の報告はありません。

 フアイアの中国での登録商標は金克で中国語の読み(ピンイン)はJinkeです。中国での薬登録番号はZ-20000109です。主にがんに使用されています。肝臓癌以外にも臨床応用が始まりました。そして、さまざまな領域の悪性腫瘍で効果が認められています。中国では抗がん剤ですが、日本には食品として輸入されています。主成分はPS−T(Polysaccharide-Trametes robiniophilal Murr) という6種類の糖と18種類のアミノ酸が結合した多糖蛋白です。

 フアイアに生薬の黄精と枸杞子を加えたものは槐杞黄で中国語の読みはHuai Qi Huangです。槐杞黄は主として呼吸器疾患や腎疾患、皮膚疾患の治療や体質改善に使用されています。こちらの薬登録番号はB-20020074です。

 

参考サイト:https://www.bjcancer.org/Mobile/Article/Index/8308

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