フアイアと板藍根の双方向固体発酵産物は乳がん細胞の増殖と転移を抑制する
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フアイアと板藍根の双方向固体発酵産物は乳がん細胞の増殖と転移を抑制する
論文情報
発行年: 2018年
掲載ジャーナル: Journal of the Chinese Medical Association
DOI: 10.1016/j.jcma.2017.12.003
試験対象(疾患): 乳がん
試験対象動物: 該当なし(ヒト乳がん細胞株を使用)
概要
本研究では、フアイア(Trametes robiniophila Murr)と板藍根(Radix Isatidis)の双方向固体発酵産物(TIF)の乳がん細胞に対する効果を評価しました。TIFは、SK-BR-3およびMDA-MB-231乳がん細胞の増殖を時間依存的に強く抑制し、G2/M期での細胞周期停止とアポトーシスを誘導しました。さらに、TIFはこれらの細胞の増殖、移動、浸潤、および接着能力を有意に抑制しました。
要約
①問題提起
乳がん細胞の増殖と転移を抑制する新たな治療法の開発。
②必要性
乳がんの効果的な治療法が求められている。
③方法
フアイアと板藍根の発酵産物(TIF)を乳がん細胞に適用し、その効果を評価。
④結論
TIFは乳がん細胞の増殖と転移を抑制し、細胞周期停止とアポトーシスを誘導。
⑤便益
TIFは乳がん治療の新たな補完的手段として期待される。
解説
乳がんは多くの女性に影響を与える深刻な疾患であり、新しい治療法の開発が急務となっています。本研究では、伝統的な中国医学で使用されるフアイアと板藍根を用いた双方向固体発酵産物(TIF)の乳がん細胞に対する効果を調査しました。実験では、TIFがSK-BR-3およびMDA-MB-231という2種類の乳がん細胞株の増殖を時間依存的に強く抑制し、細胞周期をG2/M期で停止させ、アポトーシス(計画的細胞死)を誘導することが確認されました。さらに、TIFはこれらの乳がん細胞の増殖、移動、浸潤、および接着能力を有意に抑制しました。これらの結果から、TIFは乳がん治療の新たな補完的手段として有望であることが示唆されます。
関連する試験画像
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参照論文リンク
PubMed(要約)
Europe PMC(全文)
Elsevier(全文)
(こちらはOpen Accessのため、元文献が上記リンクより閲覧可能です)
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。