フアイア多糖体はAUF-1シグナル伝達経路を制御し、ヒト肝細胞癌SMMC-7721細胞の転移を抑制する
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フアイア多糖体はAUF-1シグナル伝達経路を制御し、ヒト肝細胞癌SMMC-7721細胞の転移を抑制する
論文情報
発行年: 2015年
掲載ジャーナル: Tumor Biology
DOI: 10.1007/s13277-015-3314-5
試験対象(疾患): 肝細胞癌
試験対象動物: マウス
概要
本研究では、フアイア由来の多糖体TP-1が、ヒト肝細胞癌SMMC-7721細胞の成長、接着、移動、および運動性を用量依存的に抑制することが示されました。さらに、TP-1処理により、AUF-1およびAEG-1のmRNAとタンパク質レベルが減少し、miR-122の発現が増加しました。また、TP-1はE-カドヘリンの発現を増加させ、N-カドヘリンのレベルを低下させました。マウスモデルでは、TP-1が肝癌の肺転移を有意に抑制することが確認されました。
要約
①問題提起
肝細胞癌の転移を抑制する新たな治療法の開発が求められている。
②必要性
肝細胞癌は高い死亡率を持ち、効果的な転移抑制策が必要とされている。
③方法
フアイア由来の多糖体TP-1を用いて、細胞およびマウスモデルでの抗腫瘍効果を評価した。
④結論
TP-1は肝細胞癌の成長と転移を抑制し、AUF-1シグナル伝達経路を調節することが示された。
⑤便益
TP-1は肝細胞癌患者への新たな治療法として期待される。
解説
フアイアは、伝統的な漢方薬として知られ、その抽出物は抗腫瘍効果を持つとされています。本研究では、フアイアから抽出された多糖体(TP-1)が、ヒト肝細胞癌SMMC-7721細胞の成長や移動能力を抑制する効果が確認されました。具体的には、TP-1処理により、癌細胞の成長、接着、移動、および運動性が用量依存的に抑制されました。さらに、TP-1はAUF-1およびAEG-1のmRNAとタンパク質レベルを減少させ、miR-122の発現を増加させました。これらの変化は、癌細胞の転移能力を低下させる要因と考えられます。また、TP-1はE-カドヘリンの発現を増加させ、N-カドヘリンのレベルを低下させることで、上皮間葉転換(EMT)の抑制にも寄与しました。マウスモデルを用いた実験では、TP-1が肝癌の肺転移を有意に抑制することが確認され、これらの結果から、TP-1は肝細胞癌の新たな治療法として有望であることが示唆されました。
関連する試験画像
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参照論文リンク
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。