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フアイア由来の多糖体はヌードマウスにおけるヒト肝細胞癌の成長、血管新生、および転移を抑制する

フアイア由来の多糖類がヌードマウスにおけるヒト肝細胞癌の成長、血管新生、および転移を抑制する

論文情報

発行年: 2015年
掲載ジャーナル: Tumor Biology
DOI: 10.1007/s13277-014-2923-8
試験対象(疾患): ヒト肝細胞癌
試験対象動物: ヌードマウス

概要

本研究では、フアイアから抽出・精製した多糖体SP1の抗腫瘍効果を評価しました。SP1は、in vitroでヒト肝細胞癌SMMC-7721細胞の増殖を抑制し、in vivoではヌードマウスにおける腫瘍成長と肺への転移を有意に抑制しました。さらに、SP1は腫瘍組織内の血管新生を抑制し、アポトーシスを促進することが示されました。これらの結果は、SP1が肝細胞癌の治療に有望な候補であることを示唆しています。

要約

①問題提起
肝細胞癌の成長、血管新生、転移を抑制する新たな治療法の開発が必要。 

②必要性
肝細胞癌は高い死亡率を持ち、効果的な治療法が求められている。

③方法
フアイア由来の多糖体SP1を用いて、in vitroおよびin vivoで抗腫瘍効果を評価。

④結論
SP1は肝細胞癌の成長、血管新生、転移を抑制し、アポトーシスを促進する。

⑤便益
SP1は肝細胞癌患者への新たな治療法として期待される。

解説

フアイアは、伝統的な漢方薬として知られ、その抽出物は抗腫瘍効果を持つとされています。本研究では、フアイアから抽出・精製された多糖体SP1の抗腫瘍効果を評価しました。まず、in vitroでヒト肝細胞癌SMMC-7721細胞に対するSP1の効果を調べたところ、濃度依存的に細胞増殖を抑制することが確認されました。次に、ヌードマウスにSMMC-7721細胞を移植し、SP1を経口投与した結果、腫瘍の成長と肺への転移が有意に抑制されました。さらに、免疫組織化学的解析により、SP1は腫瘍組織内の血管新生を抑制し、アポトーシスを促進することが示されました。具体的には、増殖細胞核抗原(PCNA)とCD34の発現が低下し、TUNEL陽性細胞の割合が増加しました。また、血清中のマトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP2)と血管内皮増殖因子(VEGF)のレベルが低下し、腫瘍組織内のHIF-1α、VEGF、MMP2、bcl-2、N-カドヘリン、STAT3、MTDHのタンパク質発現が減少し、baxとE-カドヘリンの発現が増加しました。これらの結果は、SP1が肝細胞癌の治療に有望な候補であることを示唆しています。

関連する試験画像

Figure 1
Figure 2
Figure 3
Figure 4

参照論文リンク

PubMed(要約)
Springer(全文)
DOCKSCI(全文)

(こちらはOpen Accessのため、元文献が上記リンクより閲覧可能です)
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。

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