フアイア抽出物は腫瘍関連マクロファージの制御を介し乳がんを抑制する
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フアイア抽出物は腫瘍関連マクロファージの制御を介し乳がんを抑制する
論文情報
発行年: 2016年
掲載ジャーナル: Scientific Reports
DOI: 10.1038/srep20049
試験対象(疾患): 乳がん
試験対象動物: マウス
概要
本研究では、フアイア抽出物が乳がんの進行に関わる腫瘍関連マクロファージ(TAM)の浸潤を抑え、がんの成長と転移を抑制する効果を示しました。また、フアイア抽出物がTAMを腫瘍促進型のM2型から抗腫瘍型のM1型に変化させることで、免疫応答が活性化されることが確認されました。
要約
①問題提起
乳がんの進行に寄与する腫瘍関連マクロファージ(TAM)の役割を解明し、治療法を検討。
②必要性
TAMは乳がんの成長と転移を促進するため、効果的な制御法が必要。
③方法
フアイア抽出物を用いて、TAMの浸潤と性質変化への影響を評価。
④結論
TAMの浸潤を抑え、M2型からM1型への変化を促進することを確認。
⑤便益
フアイア抽出物は乳がん治療の新たな可能性として期待される。
解説
フアイアは中国で伝統的に使用されてきたキノコで、その抽出物には抗がん作用があるとされています。本研究では、乳がんの進行を助長する腫瘍関連マクロファージ(TAM)に対するフアイア抽出物の効果が検証されました。TAMはがんの成長を助けるM2型マクロファージが多く、腫瘍内での浸潤が進むとがんが悪化します。フアイア抽出物を投与することで、TAMの浸潤が抑制され、さらにM2型から抗腫瘍効果を持つM1型に変化させることが確認されました。この結果、フアイア抽出物は乳がんの増殖や転移を抑える効果を発揮し、免疫系ががん細胞と戦う力を強化します。フアイア抽出物は、免疫を通じてがんの進行を抑える新しい治療戦略として期待されています。
関連する試験画像
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Figure 2
Figure 3
Figure 4
Figure 5
参照論文リンク
PubMed(要約)
Europe PMC(全文)
Nature(全文)
PubMedCentral(全文)
(こちらはOpen Accessのため、元文献が上記リンクより閲覧可能です)
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。