menu
close

フアイア水抽出物はTwistを標的として胃がんの転移と上皮間葉転換を抑制する

フアイア水抽出物はTwistを標的として胃がんの転移と上皮間葉転換を抑制する

論文情報

発行年: 2017年
掲載ジャーナル: Journal of Cancer
DOI: 10.7150/jca.20380
試験対象(疾患): 胃がん
試験対象動物: 該当なし(培養実験)

概要

本研究では、フアイア水抽出物が胃がん細胞の浸潤と移動能力を有意に抑制し、上皮間葉転換(EMT)を部分的に逆転させることが示されました。具体的には、上皮マーカーであるE-カドヘリンの発現が増加し、間葉マーカーであるN-カドヘリンとビメンチンの発現が減少しました。また、Twistの発現が低下し、Twistの過剰発現はフアイアの抗転移効果を部分的に打ち消しました。

要約

①問題提起
胃がんの転移を抑制する新たな治療法の探索。

②必要性
胃がんは高い転移率と予後不良が特徴であり、効果的な治療法が求められる。

③方法
フアイア水抽出物を用いて胃がん細胞の浸潤・移動能力とEMTマーカーを評価。

④結論
フアイアはTwistを標的としてEMTを抑制し、胃がんの転移を抑制する。

⑤便益
胃がん患者の転移抑制と予後改善に新たな可能性を提供。

解説

フアイアは中国で伝統的に使用されてきた薬用キノコで、その抗がん作用が注目されています。本研究では、フアイアの水抽出物が胃がん細胞の転移能力を抑制することが明らかになりました。具体的には、がん細胞が他の組織へ広がる際に重要な役割を果たす上皮間葉転換(EMT)という現象を抑制することで、がんの進行を防ぐ可能性が示されています。この作用は、EMTを促進する因子であるTwistというタンパク質の発現を低下させることで実現されました。さらに、上皮マーカーであるE-カドヘリンの増加、間葉マーカーのN-カドヘリンとビメンチンの減少も観察され、フアイアが胃がんの新たな治療法として有望であることが示唆されました。

関連する試験画像

Figure 1
Figure 2
Figure 3
Figure 4
Figure 5
Figure 6

参照論文リンク

PubMed(要約)
Europe PMC(全文)
Journal of Cancer(全文)
PubMedCentral(全文)

(こちらはOpen Accessのため、元文献が上記リンクより閲覧可能です)
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。

arrow_drop_down_circle