トリプルネガティブ乳がんの術後治療におけるフアイア顆粒の使用に関する臨床研究
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トリプルネガティブ乳がんの術後治療におけるフアイア顆粒の使用に関する臨床研究
論文情報
発行年: 2019年
掲載ジャーナル: Gland Surgery
DOI: 10.21037/gs.2019.12.08
試験対象(疾患): トリプルネガティブ乳がん
試験対象動物: 該当なし(ヒト患者を対象)
概要
本研究は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者の術後補助療法として、フアイア顆粒の有効性と安全性を評価するために実施されました。2010年10月から2014年9月までに改良乳房切除術を受けた201人のTNBC患者を対象に、フアイア顆粒を投与した実験群(101例)と、投与しなかった対照群(100例)に分け、無病生存率(DFS)と全生存率(OS)を主要評価項目として比較しました。
要約
①問題提起
TNBC患者の術後再発と転移を抑制する新たな治療法の開発。
②必要性
TNBCは再発率が高く、効果的な術後補助療法が求められている。
③方法
TNBC患者を対象に、フアイア顆粒の投与群と非投与群でDFSとOSを比較。
④結論
フアイア顆粒は特に進行期TNBC患者のDFSとOSを改善する可能性が示唆された。
⑤便益
フアイア顆粒はTNBC患者の術後補助療法として有望な選択肢となる可能性がある。
解説
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2が陰性の乳がんで、再発や転移のリスクが高く、効果的な術後補助療法の開発が求められています。本研究では、伝統的な中国医学で使用されるフアイア(Trametes robiniophila Murr.)から作られたフアイア顆粒の有効性と安全性を評価しました。201人のTNBC患者を対象に、フアイア顆粒を投与した群と投与しなかった群で無病生存率(DFS)と全生存率(OS)を比較した結果、全体では有意差は見られなかったものの、進行期(ステージIII)の患者において、フアイア顆粒を投与した群でDFSとOSが有意に改善されました。これらの結果から、フアイア顆粒は特に進行期TNBC患者の術後補助療法として有望であることが示唆されます。
関連する試験画像
参照論文リンク
PubMed(要約)
Europe PMC(要約)
PubMed Central(全文)
GRANDSURGERY(全文)
(こちらはOpen Accessのため、元文献が上記リンクより閲覧可能です)
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。