フアイア由来の多糖類は抗腫瘍効果と免疫調節作用を示す

論文情報

発行年: 2013年
掲載ジャーナル: Carbohydrate Polymers
DOI: 10.1016/j.carbpol.2012.09.006
試験対象（疾患）: ヒト胆管癌
試験対象動物: 該当なし（ヒト由来の細胞株を使用）

概要

本研究では、フアイア（Trametes robiniophila）から中性水溶性多糖類W-NTRPを抽出し、その抗腫瘍および免疫調節効果を評価しました。W-NTRPは、ガラクトース、アラビノース、グルコースを4.2:2.5:0.7の比率で含み、分子量は2.5×10⁴ Daです。ヒト胆管癌細胞株（QBC939、Sk-ChA-1、MZ-ChA-1）に対して顕著な増殖抑制効果を示し、正常細胞（L-929）には毒性を示しませんでした。また、マウス脾細胞の増殖を促進し、免疫調節作用が示唆されました。

要約

①問題提起
フアイア由来の多糖類の抗腫瘍および免疫調節効果の解明。

②必要性
新たな抗癌剤の開発と免疫療法の強化が求められている。

③方法
フアイアから多糖類W-NTRPを抽出し、癌細胞株とマウス脾細胞で効果を評価。

④結論
W-NTRPは胆管癌細胞の増殖を抑制し、免疫細胞の増殖を促進した。

⑤便益
W-NTRPは新たな抗腫瘍剤や免疫調節剤としての可能性がある。

解説

フアイア（Trametes robiniophila）は、伝統的な中国医学で使用されるキノコで、その抽出物には抗腫瘍効果があるとされています。本研究では、フアイアから中性水溶性多糖類W-NTRPを抽出し、その抗腫瘍および免疫調節効果を評価しました。W-NTRPは、ガラクトース、アラビノース、グルコースを4.2:2.5:0.7の比率で含み、分子量は2.5×10⁴ Daです。ヒト胆管癌細胞株（QBC939、Sk-ChA-1、MZ-ChA-1）に対して顕著な増殖抑制効果を示し、正常細胞（L-929）には毒性を示しませんでした。また、マウス脾細胞の増殖を促進し、免疫調節作用が示唆されました。これらの結果は、W-NTRPが新たな抗腫瘍剤や免疫調節剤としての可能性を持つことを示唆しています。臨床応用にはさらに詳細な研究が必要ですが、この研究は自然由来の新薬開発に向けた重要な一歩といえます。

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