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p-MEK発現は食道胃接合部(AEG)腺癌患者の予後を予測し、フアイアの抗AEG効果に関与する

p-MEK発現は食道胃接合部(AEG)腺癌患者の予後を予測し、フアイアの抗AEG効果に関与する

論文情報

発行年: 2021年
掲載ジャーナル: Pharmacological Research
DOI: 10.1016/j.phrs.2020.105411
試験対象(疾患): 食道胃接合部(AEG)腺癌
試験対象動物: ヌードマウス

概要

本研究では、食道胃接合部(AEG)腺癌患者におけるp-MEKの発現が予後に与える影響と、フアイア(Huaier)の抗腫瘍効果におけるMEK/ERK経路の役割を評価しました。p-MEKの高発現は患者の予後不良と関連し、フアイアはMEK/ERK経路を抑制することでAEGの成長を抑制しました。これらの結果は、p-MEKがAEGの予後予測因子であり、フアイアの治療効果に関与することを示唆しています。

要約

①問題提起
AEG腺癌患者の予後予測と新たな治療法の開発が必要。

②必要性
AEGの発生率増加と予後不良に対処するため。

③方法
p-MEK発現の臨床データ解析と、フアイアの抗腫瘍効果をin vitroおよびin vivoで評価。

④結論
p-MEK高発現は予後不良と関連し、フアイアはMEK/ERK経路を抑制してAEGの成長を抑制。

⑤便益
p-MEKは予後予測マーカーとなり、フアイアはAEG治療の新たな選択肢となる可能性。

解説

食道胃接合部(AEG)の腺癌は、近年その発生率が増加しており、患者の予後も一般的に良好ではありません。効果的な治療法の開発と予後予測の指標の確立が求められています。本研究では、AEG患者の腫瘍組織におけるp-MEK(リン酸化MEK)の発現レベルを調査し、その発現が高い患者は予後が不良であることが明らかになりました。さらに、伝統的な中国医学で使用されるフアイア(Huaier)の抽出物が、MEK/ERK経路を抑制することでAEGの腫瘍成長を抑制する効果が示されました。これらの結果から、p-MEKの発現レベルはAEG患者の予後を予測する有用なマーカーとなり得ること、そしてフアイアがAEGの新たな治療法として期待できることが示唆されます。

関連する試験画像

Figure 1 

参照論文リンク

PubMed(要約)
ScienceDirect(全文)

※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。

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