天然化合物を介したトリプルネガティブ乳がんのエピジェネティクス
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Epigenetics of Triple-Negative Breast Cancer via Natural Compounds
天然化合物を介したトリプルネガティブ乳がんのエピジェネティクス
論文情報
発行年: 2022年
掲載ジャーナル: Current Medicinal Chemistry
DOI: 10.2174/0929867328666210707165530
試験対象: トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者および関連研究
試験対象動物: 該当なし(レビュー論文のため)
概要
このレビュー論文は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)のエピジェネティクスに注目し、天然化合物の役割を探討しています。特に、フアイア(Huaier)を含む天然物が、DNAメチル化やヒストン修飾を介して腫瘍抑制遺伝子を再活性化させ、抗腫瘍効果を発揮する可能性が示唆されています。TNBCは治療が難しいがんであり、これらの天然化合物が新たな治療戦略となる可能性が議論されています。
要約
①問題提起
TNBCのエピジェネティック変化と天然化合物の治療効果を明らかにする。
②必要性
TNBCは既存治療が困難で、新たな治療法の開発が必要である。
③方法
天然化合物のエピジェネティック作用を既存研究からレビュー。
④結論
天然化合物はエピジェネティックな変化を修正し、TNBCの治療に有望である。
⑤便益
新しい治療法により、TNBC患者の予後改善が期待される。
解説
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、ホルモン受容体およびHER2タンパクが陰性であるため、従来のホルモン療法やHER2標的療法が効果を示さない、治療が難しいタイプの乳がんです。本論文は、TNBCにおけるエピジェネティクスの役割と、それに介入する天然化合物の可能性を探っています。特にフアイア(Huaier)は、がん抑制遺伝子のDNAメチル化を修正し、その発現を促進することで腫瘍の増殖を抑える効果が報告されています。また、ヒストン修飾を介して遺伝子発現を調整し、腫瘍細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導するメカニズムも示唆されています。フアイアを含む天然化合物は、低毒性で多面的な効果を持つため、TNBC治療の補助療法として有望視されています。ただし、これらの効果を臨床に適用するためには、さらなる研究とエビデンスの蓄積が必要です。
関連する試験画像
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論文情報
PubMed(要約)
Bentham Science Publishers Ltd.(全文)
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。