フアイア(Trametes robiniophila Murr)が産生する多糖類は、miR-224-5p/ABCB1/P-gp軸を介して肝癌細胞のオキサリプラチン感受性を高める
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フアイア(Trametes robiniophila Murr)が産生する多糖類は、miR-224-5p/ABCB1/P-gp軸を介して肝癌細胞のオキサリプラチン感受性を高める
論文情報
発行年: 2022年
掲載ジャーナル: Integrative Cancer Therapies
DOI: 10.1177/15347354221090221
試験対象: 肝癌細胞
試験対象動物: 該当なし(細胞実験のため)
概要
この研究は、フアイア(Trametes robiniophila Murr)が産生する多糖類が肝癌細胞のオキサリプラチン感受性を高めるメカニズムを調査したものです。フアイア多糖類は、miR-224-5pを増加させ、これがABCB1遺伝子の抑制とP-gpタンパク質の減少を引き起こします。この作用により、抗がん剤オキサリプラチンの効果が増強されました。この結果は、フアイアが肝癌治療の補助療法として有望であることを示しています。
要約
①問題提起
肝癌治療での薬剤耐性を克服する方法を探る。
②必要性
肝癌の薬剤耐性が治療効果を低下させるため。
③方法
フアイア多糖類を肝癌細胞に適用し、分子メカニズムを解析。
④結論
フアイア多糖類はmiR-224-5pを増加させ、薬剤感受性を向上させた。
⑤便益
肝癌治療における新しい補助療法として期待される。
解説
肝癌は、世界的に死亡率が高いがんの一つであり、治療の中でも薬剤耐性が大きな課題となっています。この研究では、伝統的な薬用キノコであるフアイア(Trametes robiniophila Murr)由来の多糖類が、肝癌細胞の抗がん剤オキサリプラチンに対する感受性を高めることが示されました。具体的には、フアイア多糖類がmiR-224-5pという小さなRNAの発現を増加させ、それがABCB1遺伝子を抑制します。この抑制により、P-gpタンパク質の生成が減少し、薬剤ががん細胞内に留まる時間が長くなり、オキサリプラチンの効果が高まりました。この結果、フアイア多糖類は薬剤耐性を克服する新たな補助療法として注目されています。天然由来であるため、毒性が低い可能性も示唆されており、肝癌治療の改善に貢献することが期待されます。
関連する試験画像
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Figure 2
Figure 3
Figure 4
Figure 5
論文情報
PubMed(要約)
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(こちらはOpen Accessのため、元文献が上記リンクより閲覧可能です)
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。