マウス顎下腺における in vivo 血管透過性の検出
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マウス顎下腺における血管透過性の生体内検出
発行年:2022年
掲載ジャーナル:Journal of Visualized Experiments (JoVE)
DOI:10.3791/63711
試験対象:マウス顎下腺における血管透過性の評価
試験対象動物:マウス
概要
この研究は、マウス顎下腺の血管透過性を評価するための実験手法を確立することを目的としています。具体的には、蛍光標識デキストランを使用して血管透過性を測定し、異なる分子量のトレーサーを用いることで、血管の選択的透過性を評価します。研究は8~10週齢の雄性マウスを使用し、無麻酔下でトレーサーを注入、顎下腺の血管透過性を観察します。この手法は、血管の健康状態や病状に関連する研究に有用です。
要約
①「問題提起」
マウス顎下腺の血管透過性を正確に測定する手法の開発。
②「必要性」
血管透過性の変化は多くの疾患の進行に関連しており、その正確な評価は疾患理解と治療に重要。
③「方法」
異なる分子量の蛍光標識デキストランを注入し、顕微鏡を用いて血管透過性を観察。
④「結論」
開発した手法は、マウス顎下腺の血管透過性を正確に評価するのに有効であることが確認された。
⑤「便益」
この手法は、血管透過性の研究において新しい洞察を提供し、疾患研究と治療の発展に寄与する。
解説
この論文は、マウスの顎下腺における血管透過性を評価するための新しい実験手法を紹介しています。血管透過性は、血管壁を通過する物質の移動を指し、多くの疾患において重要な役割を果たします。例えば、高血圧や糖尿病、自免疫疾患などは、血管透過性の異常が原因の一つとされています。
研究では、8~10週齢の雄性マウスを用い、蛍光標識されたデキストランを注入して血管透過性を測定しました。使用したデキストランは、4 kDaのFITC標識デキストランと、70 kDaのローダミンB標識デキストランで、それぞれ異なる分子量のトレーサーを使うことで、血管の選択的透過性を評価しました。
実験は、顎下腺の一部を切除し、顕微鏡を用いて血管内の蛍光を観察する方法で行われました。この方法により、血管透過性の正確な評価が可能となり、血管の健康状態や疾患の進行に関する新たな知見を得ることができます。この技術は、疾患研究や治療法の開発において非常に有用です。
関連する試験画像リンク
論文情報
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8597883/
https://www.jove.com/video/63711/in-vivo-vascular-permeability-detection-in-mouse-submandibular-gland
(こちらはOpen Accessのため、元文献が上記リンクより閲覧可能です)
※正確な論文の解釈をするためにも原文を読むことをお勧めいたします。